平成18年度調査研究の概要

補助事業番号 18-154
補助事業名 平成18年度機械工業における国際経済交流推進補助事業
補助事業者名 財団法人 国際経済交流財団

1.補助事業の概要(1)事業の目的ア.実施した事業の背景と現状認識
経済のグローバル化の進展に伴い、機械工業を中心に日本企業の国際事業展開が急速に進み、経済活動の舞台が地球規模に拡大し、世界貿易は急速に拡大している。また、経済規模の拡大が進む中で、中国を始めとしたアジアの経済的台頭が進み、アジアは生産基盤の整備を進めて「世界の工場」としての地位を得つつある。一方、我が国は少子高齢化が進んでいる。現在、このような直面する構造変化に適確に対応する施策が求められている。

イ.取り組むべき課題、必要性、意義、期待される効果等
(i)経済関係国際交流事業
国際経済環境が激変する中で、我が国産業が今後さらに国際競争力を強化し、グローバル化に対応していくためには、諸外国との産、官、学等を含めた国際的な協力関係の強化がますます必要となっている。また、FTAなど今後アジア諸国等との経済連携を推進、強化していくことは我が国及び我が国産業界にとって喫緊の課題となっている。本事業の実施によって、相互理解が促進されるとともに、貿易、投資の拡大や産業協力の進展が期待される。また、今後政府間交渉が予定されている経済連携の動きがさらに進展していくことが期待される。

(ii)日本産業貿易等の海外広報
日本の産業や貿易に関する政策・制度面の紹介や経済動向の紹介のみならず、背景となる我が国の社会、歴史、文化等も含めた紹介を行うことにより、より一層の対日理解を深めさせていくことが必要である。また、米国や欧州のみならず、アジア地域をも視野に入れた全世界に対する展開が必要となっている。一方、このような英文による対外広報は、日刊英字新聞を除けば、その種類・発行部数とも非常に少ないのが現状である。こうした広報事業は、正確な情報をもとに客観的・公平的な判断に基づいた論評が非常に重要であり、そのため営利を目的としない公益の法人が主体的に実施していくことが非常に大切である。本事業の実施により、正確で質の高い日本情報が紹介されることになり、米欧のみならず、アジア地域においても対日理解が一層促進していくことが期待される。

(iii)国際経済関係の調査研究
我が国産業界が国際競争力を維持し、今後さらにグローバルに展開していくためには、国際経済環境の激しい変化や産業、技術動向の変化に柔軟に対応していくことが必要である。このため、主要国における通商・経済政策動向や技術開発動向等について幅広く調査・分析し、その成果を産業界のみならず政策当局へ情報提供や提言として裨益させることが重要である。本事業の実施により、産業界や個別企業の海外市場戦略策定や国際競争力の強化、あるいは政策当局における通商政策、経済政策等の策定に一層貢献することが期待される。

(2)実施内容等ア.経済関係国際交流事業
(ア)平成18年7月、米国のシカゴ外交評議会、太平洋外交評議会と協力して、日米フォーラムを東京において開催。台頭する中国・インド経済の現状と将来の見通し及びこれらが世界経済に及ぼす影響について、日本、米国で政策提言に影響力を持つリーダーが一同に会し、意見交換を行うことで相互理解を深め、更に日米の果たすべき役割を模索することが目的であった。研究成果については、10月に米国において米政府関係者等に成果普及を行い、日本においては、11月に記者発表を行った。

(イ)平成18年11月、インドネシアの戦略国際問題研究所(CSIS)と協力して、日・アジア太平洋フォーラムをジャカルタにおいて開催。東アジアにおける二国間・地域間FTAの進展状況と東アジア自由貿易地域(EAFTA)創設に向けた議論について、東アジア地域を代表する各界の指導者・専門家に自由な意見交換の場を提供し、参加者の相互理解を深め、また本オープンフォーラムにおいて一般聴衆にこれらを啓蒙することが目的であった。今回の会議により、現在進行中のFTA交渉に関する各国の考え方や政策について理解を深め、共通目標である東アジア自由貿易地域創設に向けて各国立場についての更なる相互理解に大変役立った。

(ウ)平成19年3月、英国の王立国際問題研究所と協力して、日欧フォーラムを英国ロンドンにおいて開催。中国・インドの台頭と日本、英国、世界経済に与える影響について、意見交換を行うことで、今後の日欧協力のあり方を模索し、より強固な日欧関係の構築を図ることが目的であった。今回の会議により、日英間のより深い相互理解と友好かつ健全な日英関係の発展に貢献した。

イ.日本産業貿易等の海外広報
我が国の経済、産業、政治の動向や社会・文化的側面を幅広く紹介し、世界の人々に対しバランスの取れた対日理解を深める手段として、英文情報誌を隔月で年6回発行、欧米アジア諸国のオピニオン・リーダー等に配布した。18年度においては、日本の中小企業、通商白書、日印関係、知的財産権、日本のロボット産業、日本のファッション産業の特集を行った。

ウ.国際経済関係の調査研究
我が国産業界が国際経済環境の激しい変化や産業、技術動向の変化に対応していくためには、諸外国における経済状況・政策動向や技術開発動向等様々な最新の動向を調査・分析し、これを産業界に広く裨益するとともに、政策当局への情報提供や提言として検討に供することが重要であり、そのため以下のテーマについて調査研究を行った。

(調査項目のテーマをクリックすると、報告書の概要を見ることが出来ます。また報告書の幾つかは、http://ringring-keirin.jpに掲載されます)

(ア)欧米諸国等調査研究費
(i) 台頭する中国・インドのインパクトと日米関係に関する社会調査に係る調査研究を実施。
(ii) 台頭する中国・インドのインパクトと日米経済関係に関する調査研究を実施。
(iii) 機械工業等の生産性の国際比較に関する調査研究を実施。
(iv) 税制改革の国際的動向に関する調査研究を実施。
(v) 機械工業等の対EU投資に関する調査研究(日・スイスFTA関連調査)を実施。
(vi) 東アジア諸国以外の経済連携協定の相手国(市場国、資源国、投資先国)としての優先順位に関する調査研究を実施。
(vii) 我が国のアンチ・ダンピング措置利用可能性に関する調査研究を実施。

(イ)アジア諸国等調査研究費
(i) アジアとの相互依存関係深化の中での外国資本・労働・技術の導入を活用した我が国将来ビジョンの調査研究を実施。
(ii) 中国・アセアンFTA協定の我が国産業(機械工業等)への影響に関する実態調査を実施。
(iii) 中国における構造改革と社会保障の整備に関する調査研究を実施。
(iv) CSRに関する国際動向と日本企業の対応に関する調査研究を実施。
(v) EAC、EAFTAに関する調査研究を実施。
(vi) 我が国機械工業事業者の競争力強化を図るための、アジアでのエネルギー・環境に関する新しい技術・市場の発展の促進に関する調査研究を実施。
(vii) 日本・シンガポールFTA(JSEPA)及び日本・メキシコFTAのフォローアップに関する調査研究を実施。
(viii) 中国鉄鋼業界の現状と今後の展開の可能性に関する調査研究を実施。
(ix) 日韓関係のあり方に関する調査研究を実施。
(x) 中国における自動車産業政策に関する調査研究を実施。
(xi) 中国の社会情勢に関する調査研究を実施。

(ウ)国際共同研究・研究交流事業費
(i) 米国の国防予算、防衛産業の動向等に関する調査研究を実施。
以下のテーマについて調査研究を実施。
 ・米国防衛予算
 ・米国ミサイル防衛
 ・米国輸出管理
 ・中国情報 等
本調査研究の成果は、我が国機械産業界に裨益されるのみならず、我が国政策当局における諸施策策定上の基礎資料として活用されることが期待される。

(ii) 日米間の防衛技術交流に関する調査研究を実施。
日米技術フォーラムを開催し、討議が行われた。
1)日米だけでなく世界でも技術進歩は迅速で多方面にわたっている。両国とも予算的制約があるが、開発は多くの分野で益々スピーディに進んでいる。日本では特に「DUT/マルチ・アプリケーション」開発戦略を持った企業の進歩が注目を浴びている。
2)個々の企業が競争力を高めるため研究開発を実施し、防衛分野で企業間の協力をする際に微妙なバランスが存在する。一企業が世界市場で縦続的な収益性を追及するため、多数の研究開発プログラムを独自に実施し、多方面で国際競争力を獲得することは困難である。それ故、技術的障壁を打破しコストの低減化を図るためには、企業間協力や共同開発が重要となる。
3)多くのプログラムや開発横想において、コストと技術的な障壁は高いままである。いくつかのプログラムはコスト高と予算の制約により縦続が危ぶまれている。この情勢から、レベルの異なる企業間の協力という考え方が出てくる。 等本調査研究が、我が国産業界及び政策当局の防衛政策の策定における基礎資料として活用されることが期待される。

(iii) ブッシュ第2期政権後期に向けた米国の政治・経済・産業界の動向に関する調査研究を実施。
以下の詳細テーマについて調査研究を実施。
・米国経済、外交政策、米連邦準備制度理事会の動き、金融政策、米国議会の動き、米国の社会保障、貿易問題、 等本調査研究により、我が国産業界及び政策当局が対米戦略を検討する際の基礎資料として活用されることが期待される。

(iv) 中間選挙前後の米国の対外経済政策及び議会、産業界の動向に関する調査研究を実施。
任期最後の2 年間、ジョージ・G・ブッシュ大統領は、国内、外交の双方において政策の方向性と運営スタイルを、観念性を抑えたより実利的な政策編成プロセスへと変更した。この方向転換は、民主党による議会の過半数支配、共和党議員のブッシュ大統領に対する造反の広がりにより余儀なくされたものであり、結果的にブッシュ大統領の政治的権力と影響力をひどく弱体化させた。任期の最初の5年間に大統領自身と副大統領、その他数名の補佐官が支配する秘密主義でトップダウンの運営体制を維持したのち、ブッシュ大統領は閣僚メンバーの構成を変更し、より大きな権限と責任を委譲するようになった。国際経済政策に関しては、副大統領とホワイトハウスのスタッフからポールソン新財務長官に最高権限が移行した。ブッシュ大統領は国際安全保証政策と国際経済政策をより多角的かつ協調的なアプローチにするために調整してきており、国際安全保障の安定化に対する注意も増大させている。次期米国大統領が同じ路線を踏襲するか否かは、米国国内の反グローバリゼーションのうねりの規模のみならず、これからの数年間に国政選挙に向き合うことになる多くの国においてグローバリゼーションに対する同様の懸念がどの程度まで高まるかにかかってくる可能性は非常に高い。本調査研究は、産業界及び政策当局が対米戦略を検討する際の基礎資料となることが期待される。

2.予想される事業実施効果(1)経済関係国際交流国際経済環境が激変する中で、我が国産業が今後さらに国際競争力を強化し、グローバル化に対応していくためには、諸外国との産、官、学等を含めた国際的な協力関係の強化がますます必要となっている。また、FTAなど今後アジア諸国等との連携を推進、強化していくことは我が国産業界を含め我が国全体にとって喫緊の課題となっている。各フォーラム事業の実施によって、相互理解が促進されるとともに、貿易、投資の拡大や産業協力の進展が期待される。また、今後政府間交渉が予定されている経済連携の動きがさらに進展していくことが期待される。

(2)日本産業貿易等の海外広報本事業の実施により、米国をはじめ欧州アジア等を中心に、我が国経済・社会等に関する正確で質の高い情報を提供しており、今後一層バランスのとれた対日理解の促進が図られることが期待される。

(3)国際経済関係の調査研究我が国産業界が国際競争力を維持し、今後さらにグローバルに展開していくためには、国際経済環境の激しい変化や産業、技術動向の変化に柔軟に対応していくことが必要である。このため、主要国における通商・経済政策動向や技術開発動向等について幅広く調査・分析し、その成果を産業界のみならず、政策当局への情報提供や提言として裨益することが重要である。本事業の実施により、産業界における海外市場戦略策定や国際競争力の強化、あるいは政策当局の通商政策、産業政策等の政策策定の基礎資料として一層貢献することが期待される。

3.本事業により作成した印刷物等(1)経済関係国際交流(i) 平成18年度日米フォーラム(米国)報告書
(ii) 平成18年度日・アジア太平洋フォーラム報告書
(iii) 平成18年度日欧フォーラム報告書

(2)日本産業貿易等の海外広報英文情報誌「Economy, Culture & History JAPAN SPOTLIGHT Bimonthly」
5/6月号、7/8月号、9/10月号、11/12月号、1/2月号、3/4月号

(3)国際経済関係の調査研究ア.欧米諸国等調査研究
(i) 台頭する中国・インドのインパクトと日米経済関係に関する社会調査
(ii) 台頭する中国・インドのインパクトと日米経済関係に関する調査研究
(iii) 機械工業等の生産性の国際比較に関する調査研究報告書
(iv) 税制改革の国際的動向に関する調査研究報告書
(v) 機械工業等の対EU投資に関する調査研究報告書(日・スイスFTA 関連調査)
(vi) 東アジア諸国以外の経済連携協定の相手国(市場国、資源国、投資先国)としての優先順位に関する調査研究報告書
(vii) 我が国のアンチ・ダンピング措置利用可能性に関する調査研究報告書

イ.アジア諸国等調査研究
(i) アジアとの相互依存関係深化の中での外国資本・労働・技術の導入を活用した我が国将来ビジョンの調査研究報告書
(ii) 中国・アセアンFTA協定の我が国産業(機械工業等)への影響に関する実態調査報告書
(iii) 中国における構造改革と社会保障の整備に関する調査研究報告書
(iv) CSRに関する国際動向と日本企業の対応に関する調査研究報告書
(v) EAC,EAFTAに関する調査研究報告書
(vi) 我が国機械工業事業者の競争力強化を図るためのアジアでのエネルギー・環境に関する新しい技術・市場の発展に関する調査研究報告書

(vii) 日本・シンガポールFTA(JSEPA)及び日本・メキシコFTA のフォローアップに関する調査研究
(viii) 中国鉄鋼業界の現状と今後の展開の可能性に関する調査研究報告書
(ix) 日韓関係のあり方に関する調査報告書
(x) 中国における自動車産業政策に関する調査研究報告書
(xi) 中国の社会情勢に関する調査研究報告書

ウ.国際共同研究
(i) 米国の国防予算、防衛産業の動向等に関する調査研究報告書
(ii) 日米間の防衛技術交流に関する調査研究報告書
(iii) ブッシュ第2期政権後期に向けた米国の政治・経済・産業界の動向に関する調査研究報告書
(iv) 中間選挙前後の米国の対外経済政策及び議会、産業界の動向に関する調査研究報告書