2017年9月20日

調査研究

 米中対立、北朝鮮問題、最近ではロシアのウクライナ侵攻など、地政学的なリスクが世界的に急拡大していています。そのグローバル経済への影響が、サプライチェーンの分断や各国の経済的安全保障強化の必要性の増大に直結しています。また、広義の経済的安全保障強化のために、国としての競争力の強化が各国の喫緊の課題となっています。他方、経済成長のエンジンである貿易と投資は、WTOの機能不全や米欧など先進国を中心とした反グローバリゼーションとナショナリズムの勃興の中で、保護主義の脅威に晒されています。レジリエントな産業のサプライチェーンを確立し、経済的安全保障と自由貿易原則に基づく開かれた世界貿易体制を目指すために、超大国のパワーではなく、ルールに基づく国際経済システムを早急に構築することが求められています。
 当財団では、国際経済に課されたこのような山積する政策課題に対する解決策を求めて、産官学の有識者による研究会を少なくとも年に二つのテーマを選んで開催するかたちで、2021年度から実施しています。情報発信だけでなく、政策課題の解決策を探るシンクタンクの役割を新たに追及します。