会長あいさつ
国際経済交流財団(JEF)のホームページへようこそ。
この度、JEF会長に就任いたしました岡田秀一でございます。
JEFは、1981年に日本の考え方や実態を海外に発信していく機関として設立されました。
当時は、米国との間で日本側が大幅な貿易黒字を計上し、深刻な貿易摩擦を引き起こしていました。諸外国とは、関係が緊密になればなるほど利害対立が生じるものです。そういう時こそ、対話と交流を通じて相互理解を深め、解決策を見出していくことが求められます。そうした思いでJEFは設立されました。
JEFでは、世界各地域に焦点をあてた経済フォーラムやダイアログ、日本経済や世界経済の今を知っていただくための隔月刊英文電子ジャーナルの発行などを中心とした事業活動を展開しております。今年で設立から45周年を迎えます。
設立当初日本が直面していた諸外国との間の通商上の課題は、年月を経て解決の方向へと向かいました。この間、WTOが創設され、また地域経済統合が進展し、多くの自由貿易協定が締結されました。しかしながら、今日、これまで積み上げられてきたルールに基づく自由貿易の体制とその上に築かれた国際的なサプライチェーンは、大きな挑戦に直面しています。ロシアによるウクライナ侵攻、そして米国、イスラエルとイランとの紛争は、この混乱をさらに拡大させています。
2021年1月のダボス会議でのスピーチで、カナダのカーニー首相は、中堅国(Middle Powers)が結集して国際秩序についての第三の道を切り拓くことに言及しました。最近議論が進んでいるCPTPPとEUの協力によるルールに基づく貿易秩序回復に向けた動きに参加しているのは、中堅国です。JEFは、こうした動きにも積極的に参加していくことにしています。
貿易や投資を通じた各国経済の相互依存の深まりの中で、経済の安全保障の重要性がかつてなく高まっています。貿易と投資は、経済の問題にとどまらず、各国の安全保障の問題としてとらえられるようになってきました。そして、急速に発展するAIがこれらに与える影響は計り知れません。
貿易と安全保障の両立に向けた新たなルール作りの必要性、AIの急速な発展の中での信頼性ある自由なデータ流通を実現するための秩序の必要性など、国際経済システムの再生と強化が求められています。さらに、地球規模の課題として、国内の所得格差のみならず国家間の格差、エネルギー・地球環境問題の深刻化、高齢化問題など、成長の制約となる課題が山積しています。新たなリスクにどう向き合い、どう克服していくか、私たちは、各国の有識者と議論を重ね、その結果をホームページなどを通じて皆さまに発信してまいります。そして、議論や交流の場づくりを進めてまいります。
皆さまにはJEFへの積極的な関わりと、一層のご活用をいただき、国際経済システムの動きを注視していただくとともに、JEFの活動とその成果をビジネスや政策などさまざまな場面での意思決定にお役立ていただければ幸いです。
2026年7月1日
一般財団法人 国際経済交流財団(JEF)
会長 岡田 秀一
